53才のリアルタイム リストラ日記

突然 リストラを通告された53才 サラリーマンの物語をリアルタイムでお伝えします。

戦いの日 (その2)- 2020年3月11日

第一部のビジネスプレゼンは散々だったが、自分の考えが至らなかった部分はそのまま素直に受け入れ真摯にフィードバックをうけた。当然、結果を求められる入社試験であるものの、もし入社が決定すればこの人たちと働くことになる。だから、決して言い繕いや言い訳をしたりしなかった。

別室にもどされ、第二部の課題を渡された。

次はマネージャーとしてのロールプレイングだった。設定は、自分の部下が期末の評価で昇格を希望している。しかし、昇格には不十分と経営層が判断し見送られた。それを説得するという設定だった。

今回は自分が過去2年、キャリアコンサルタントの様々な活動のなかで学んできたテクニックを使おうと思っていた。

20分ほど頭を整理、準備をして、会場に戻る。時間は30分間。先ほどのアジア本社の役員が部下の役割だった。ビデオ越しの面談が始まった。

 

まず僕は「今回は30分ほどしか時間がないので、もし十分 話ができていないと感じたら、別の日程でもう一度面談を設定するの言ってほしい」と告げた。

全く彼女との関係もわからないのでまず、信頼をえて相手が納得するまで話を聴くという体制を整えた。

彼女は今期、自分がグループの中で一番頑張って結果をだしたかを、まくしたてた。そして一通り聞いたところで昇格はどうなったかと聞いてきた。

僕は、今回のあなたの仕事の結果は評価するが、会社としてはまだ昇格させる基準には達していなかったので、来期の昇格は見送られたと告げた。

彼女はあからさまにショックを受けた演技をし、もうこの会社にはいられない。他の会社からもオファーをもらえそうなので昇格できないのなら、辞めるといった。

僕は彼女が感情的になっているので、冷静さを取り戻すように彼女の話をとにかく聞いた。

そして最終的にもう一度、彼女の考える自己評価をいっしょにやり直して、もしもう一度、役員に昇格を主張すべきと判断できたならチャレンジするという説得して翌日ふたたび面談をする約束を取り付けた。

 

ロールプレイを終え、感想を聞かれた。

僕は「彼女とのここまでの人間関係がわからないので、白黒をこの面談でつけるのは危険だと思った。彼女も感情が高ぶっているので、まずは時間をとって冷静に話ができる環境はつくるべきだと判断して話を継続することをえらんだ」と答えた。

第二部が比較的いい雰囲気のなかで終わった。第一部で沈んでいた心がすこし和らいだ気がした。

5時間ほどの試験が終了、試験管の皆様にお礼をいって会社をでた。

心身ともにヘトヘトだった。

帰宅してヘッドハンターから電話があった。今日の一連の話を伝えた。ヘッドハンターは明日の午前中にアジア本社の人事と電話会議がセットされており、そこで採用、不採用の結果がわかるとのことだった。

家に帰ってワインを飲んだ。iPhoneをチェックすると試験を今日会った日本の人事担当からLinkdinにつながりリクエストが入っていた。

終わったという自己達成感とほのかに期待への高まりを感じていた。

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