53才のリアルタイム リストラ日記

突然 リストラを通告された53才 サラリーマンの物語をリアルタイムでお伝えします。

暗闇の中の足踏みと「トランジション」(失業46日目 )- 2020年7月15日

先週の日系ベンチャーアメリカ支社面接から一週間がたった。連絡はまだない。ここ数日、胸が締め付けられる鬱屈した感情が積もってきていた。過去経験からいって、面談の結果連絡に時間がかかった案件でうまく行ったことはない。何かうまくいかなかったいうよりも、他の候補者のほうが進んでいて比較されているというケースがほとんどである。そういった場合は先行者のほうが不利になっていることが多い。面接の印象、特に好印象は時間がたてばたつほど薄れていく。自分が採用する側の立場だったときも総じて同じ感じだった。

昨日も悪夢をみた。ナタをもった得体の知れないものに追いかけられて、必死に逃げ隠れする夢。夜中に、あばれたらしく隣で寝ていた息子に「大丈夫」と声をかけられた。心臓がはげしく高鳴っていた。

ここ数日の感覚は、暗闇で目をつぶってずっと足踏みをしているような感覚だった。また、Stay Homeで自宅勤務をしている妻や、子供たちの食事の用意や洗濯などルーティンワークが一層 空虚感を増幅していた。

いつここから脱せるのだろう?

午後になって、一息ついた妻にいまの気持ちを発作的に打ち明けた。

妻は「ちょっと頑張りすぎじゃないの。仕事探しのことを考えないで別のことを少しやってみたら、せっかく時間があるんだから」

その言葉はなぜか、目から鱗な感じがした。

時間を無理やり自分の中で消化する必要はないんだ。今はこの時間とゆっくりつきあうことができるんだ。心の中でなにかが弾けた。

そしてキャリアコンサルタントの資格勉強のときに心にとまったキャリア理論家のウィリアム・ブリッジスの「トランジション理論」を思い出した。

「終わり〜インターバル〜始まり それは人生の通過点に誰しもが経験すること。」

Kindleストアで著作「トランジション」ダウンロードした。

資格取得勉強の時に要旨について勉強したが原書を読むのは初めてだった。

読み進めていくたびに多くの金言を得た。そしてそれらは彼の経験のみから語っている自己啓発ではなく、キャリア理論家として多くの臨床の結果をまとめ、解釈した内容なので信用ができた。

「この社会は、遥かな高みを目指すように設計されている。そのためにやりたい事、楽しい事を選択することを犠牲にして、高みを目指していき、結果を先送りしていく。そしてある高さに登ったところで自分の夢やのぞみに手が届かなかったとしても、自分はちゃんとやったと正当化し妥協する。そして人生の最終決算日にこんなはずではなかったと自分自身から宣告をうける。一方、自分らしい人生を生き生きした自分を過ごしているの共通点は内なる自分の心の声に耳をかたむけ、その道標にしたがって小さな小径を地道にあるいていく。」

そして彼は尋ねた。

「何かが終わりをつげ、新しい局面に転じる時

1、人生で今まさに手放すべきものは何か?

2、人生の舞台の袖で出番を待っているものは何か?」

一気に本を読み進めた。。。(続く)

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