53才のリアルタイム リストラ日記

突然 リストラを通告された53才 サラリーマンの物語をリアルタイムでお伝えします。

「トランジション」の意味(失業47日目)- 2020年7月16日

悶々と、どうにも暗闇で足踏みをしている気持ちをこらえながら、ウィリアム・ブリッジズの「トランジション」を読んだ。

ブリッジズはもともと英語教師であったが、自分の仕事に意味や目的を見出せず、学校をやめて、キャリアコンサルタントに転職し、キャリア理論家、セミナー講演者として成功をおさめた人物である。この本は、ちょうどその転機を機転に書かれたものであり、70歳になったとき、その振り返りも含め増補されたものである。

 いくつか主なポイントを備忘録として残しておく。

・「変化」とは外的状況がかわること、「トランジション」とは心理的に変わることである。

・「トランジション(内的変化)」が起きなければ、変化を受け取れないので新しい転機は機能しない。(結局 今までのことを繰り返す)

この2点から読み解けるのは、今まで会社員として努めてきて、今の転機に何か行動や視点を変えなければ結局あと10年くらいの会社員としての期限に対して、次にすべき行動を先延ばしするだけになるということ。(決して先延ばしすることが悪いことではないが)

そして自分が動揺するのはまだ、ここで起きた変化を受け取れていないという照明かもしれない。

 

・まず何かの「終わり」があり、次に「始まり」がある。そしてその重要な空白・休養期間が入る。「始まり」の見えないことに苦しむ人も多い。離婚、死、失業などで明らかな苦痛を伴う変化は気付きやすいが、逆に結婚や突然の成功など。いわいる「良い出来事」にともなう困難のショックは見逃されやすい(実は、このパターンの方がおおいのだ)

・人生の午後のトランジション(まさに今の私)は、人生の前半に動機づけられていた「何かを達成すること」への関心が失われ、代わって「心理的、精神的な事柄への関心」が高まっていく。「トランジション」に際しては「能力の発揮」から「個人的な意味への探究」が動機になる状態がある。

・以前の状態を「手放す」ことから「空虚」が生まれるが、「空虚」を過ごすことで「新たなるエネルギーと目的」が生まれ、そこから新しい「存在」がうまれるという周期的なリズムを繰りかえす。

・新たなエネルギーで生まれてくるものそれは新しい仕事ではない。それは自己に対する新しい感覚、自分が対処する新しい現実、自分自身を前進させる新たなアイデアである。

トランジション」のためにはまず、捨てきることが必要。ここはできていない。そして空虚の時間を味わう。例えば創造的な人間ほど、こういうエネルギーをためる時期に引きこもる。普段のルーティンに埋没せずに違う刺激に触れることが必要。

・このトランジッションの期間での、明らかに非生産的なこの空白の時について、後ろめたく感じる必要はない。従来のやり方以外では反応しにくい一連の刺激をあなたに提示して、あなたを「あなた」にし続けている。だから、あなたは一人になって、一見、無目的な行動をとる。そうすることによってのみ、「自己変容」という重要な内的活動に従事することができるのだ。

 

この本を読んで気持ちがすごく軽くなった。7月をこのまま駆け抜けて、8月になったら一旦自分のリセットボタンを押し、さまよう期間を味わおう。そうと思った。

 

夜になって、リクルーターから電話があった。日本ベンチャーの面接結果である。

「次のステージにいってもらいたいと連絡があった。次はCOOです。来週のスケジュールをください」

まだまだ混迷の就職活動である。

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