オファー(失業61日目)- 2020年7月31日
お台場のホテルで巣篭もり中だった。時間に縛られず、お腹がすいたら食べ、ねむくなったら寝る。そんな時間を過ごしていた。
夜中に目が覚める。午前2時半、港のオレンジの明かりが綺麗に輝いていた。
窓をあけてバルコニーから海風を入れてみる。涼しくも湿った風が部屋に立ち込めてきた。
iPhoneにメールの着信音がした。明日の朝まではメールを見ずにいるつもりだったが反射的に手にとってしまった。
メールは広告のDMだったが、未読メールの中にリクルーターからのメールが入っていた。タイトルは「Congratulations」、彼からの着信履歴も残っていた。
メールには英語で
「おめでとう。採用が決まったよ。オファーレターは明日出る。ただし週末にサインして入社を承諾して欲しい。有力な候補者がいて、その人も他社を受けている。君がもし入社したい場合はその彼を取りたいらしい。電話をあとでする。」
そう書かれていた。
胸がいっぱいになった。何度も何度もガッツポーズをした。寝付けなくなった。
そのまま窓をあけ海を見ながらメールを何度も見直していた。
午前4時、少し水平線が明るくなってきた。
ランニングシューズを履いて散歩に出かけた。
自由の女神、レインボーブリッジ、砂浜、台場、ガンダム、観覧車、ビックサイト、海の科学館
臨海地区を2時間くらい散歩した。
シャワーを浴びてベットに横になる。頭はぼーっとしているのに寝付けなかった。そのまま「地球の歴史」読み進めた。
昼になって昼食をとっているとメールが入ってきた。
「Dear XXXX...」
日本の会社なのだが英語のオファーレターだった。年俸も十分すぎるくらいだった。リクルーターがいっていた金額の上をいっていた。一応、退職勧奨の時にお世話になった弁護士にレターを送り確認を依頼した。
夜になって弁護士から概ね問題との回答をもらう。ホテルのビジネスセンターをかりてプリント、サインをし、データにスキャンして返信した。
5ヶ月の旅が終わった。