53才のリアルタイム リストラ日記

突然 リストラを通告された53才 サラリーマンの物語をリアルタイムでお伝えします。

53才の誕生日 -2020年3月1日

少し僕が何者なのか、書いておこう。

1967年生まれ、今日53才になった。

妻は広告営業としてフルタイムで働いている。子供は3人。大学生(男)、中学生(女)、小学生(男)を5才ずつはなれている。とても仲がいい。

妻とは今年で結婚27年目。アメリカに留学していた大学の時に知り合った。それ以来のパートナーである。3人の子供を産み、育て、かつフルタイムでの営業ウーマンとして働いている。本当にすごい人だ。僕が唯一誇れるのは結婚してから、ほぼ毎日の朝食と週末の料理を担当している。

父が小学生に上がる春に亡くなって、それ以来は母は働いていたこともあって、家事は得意だ。あまり頭のいい子ではなかったが、中学三年の時に一心不乱に一年間勉強して、それ以来、大学の付属校に合格したり、大学で交換留学プログラムにのったり、ラッキーな学生時代を過ごしてきた。

就職もバブルにぎりぎり乗れて日本の有名国産メーカーに入社できた。営業も覚えて、夢の商品企画の部署にもあったが、もともと曲がったことの嫌いな性格のため、硬直した縦割り社会の会社の風土のあわず、7年で外資系企業に転職した。

それからはフリーエージェントの野球選手よろしく、何社か転職を繰り返した。決して仕事に飽きやすいわけではないが、新規事業をまかせられることが多く、突っ走って燃え尽きて、違うことをさがす、そんなキャリアだった。

4年前、前の会社の社長の誘いでこの会社にやってきた。社長補佐のビジネスマネージャーという役割でいろいろな事業部間の調整をこなしてきた。この会社は割とのんびりした雰囲気の会社で長年勤務している人がおおい。今まで経験したハンター型の外資系企業とカルチャーがちがっていた。ただ、本当に人間としてすばらしい人が多い。社長に誘われた外人助っ人のような感じで入社したが、4年をへて本当に好きな会社になっていた。仕事も「Great place to work(働きがいのある職場環境)をつくる」というミッションが本当に性に合っていた。幹部社員のミーティングから一般社員の人材開発トレーニング、カフェテリアのメニューまでかかわっていた .

風向きが変わったのは昨年9月、社長が突然退任した。事前には教えてもらえていなかった。退任後はしばらく、アメリカ人が暫定社長となっていたが、正式な社長が2月にやってきた。そして突然お払い箱ということだ。

新社長は僕の仕事への期待感を数週間前に話してくれていたのに、信じられなかった。

 

3月1日日曜、家族はいつもように誕生日を祝ってくれた。その優しいまなざし、笑いに包まれながら、いつもどおりの良い父親を演じる自分。しかし、心の中にはなんとも言えないヒリヒリする乾いた風が吹いている気がした。

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