53才のリアルタイム リストラ日記

突然 リストラを通告された53才 サラリーマンの物語をリアルタイムでお伝えします。

2回目の認定日と巣篭もり(失業60日目)- 2020年7月30日

日本ベンチャーのインタビューから一夜が明けた。

いつものように早朝のウオーキングにでる。頭の中で昨日の様子をひとつずつという思い出してみる。いくつか、ここはよくなかったなという反省が呼びるとともにCEOが最後に言った「ここがあなたの次のキャリアにとっていい場所かどうかよく考えてみて」という言葉が蘇る。これがいい意味で捉えらていいのか、以前、某社の最終面接の時に言われた「あなたのような経験豊かな人がうちの会社で満足できるのか」というコメントとおなじ意味なのか。そんなことが頭をグルグル回って不安を掻き立てた

朝食をとって子供たちを送り出し、2回目の失業保険認定日の手続きのためにハローワークへ向かう。

ハローワークは1ヶ月前より混み合っていた。やはりコロナ禍の影響で失業する人が増えていることを実感させる。報告書に今回は、先日不採用になった外資系企業と昨日面接を受けた会社の応募のことを書いた。ステータスは「不採用」「連絡待ち」である。小1時間ほど待って認定を受ける。

家に帰って明日からの巣篭もりの荷物をまとめる。

一旦、昨日で現在応募している面接の区切りがつき、これからお盆に向けて動きも鈍くなるであろうことから、妻のすすめで明日から3日ほどホテルに籠もって過ごすことにした。

イリアム ・ブリッジスの「トランジション」の本にならい、自分を見つめ直すために、時間や日常のルーティンワークを忘れて、好きな音楽を聞き、面接準備やキャリア関連でない好きな本を読み、お腹が空いたら食べて、眠くなったら寝る。そんな生活を3日間過ごすことにした。

現在、都内のホテルは空室はやまほどあって直前だと予約サイトで破格で予約ができる。できれば海の景色を見ながら、食事をとるのも簡単にできるところということでお台場を選んだ。ホテルも幸い一泊1万円強で港側に小さいバルコニーのあるホテルをとることができた。

特に今回、主に読もうと思っている本は、京都大学の地球変動学者 鎌田浩毅教授が数年前に書いた「地球の歴史」という本である。地球という惑星が生まれる遥か前、宇宙が生まれるところから、現代までの地球全史を駆け足でわかりやすく書いてあるという評判の本だった。2年前に買ったのだが上中下巻の上巻で挫折してしまった。

自分の今のことなんてこんな地球の歴史という時間の流れからいったら、ほんの一瞬のまばたき以下のものであるというように思うだろうとの期待値もあって、この本を持っていくことにした。

木曜日、ホテルについて、まずは夕方のお台場の海岸あたりを好きな音楽を聞きながらゆっくり散歩した。何かつきものが落ちたような身軽さを心地よく感じていた。

日が沈んで、ショッピングモールのなかのレストランのテラス席でビールを飲みながら軽く食事をする。平日のお台場はやはりコロナ禍でガラガラ。閉店をしてしまった飲食店も多く見られた。ここ数日、気温も涼しい。青く輝くレインボーブリッジを見ながら海風を楽しんだ。

ホテルに戻って、シャワーをあび、本を手にベッドに転がり込んだ。メールのチェックもせずに、そのまま深い深い眠りについていった。

夜中に目が覚める。午前2時半、港のオレンジの明かりが綺麗に輝いていた。

窓をあけてバルコニーから海風を入れてみる。涼しくも湿った風が部屋に立ち込めてきた。

iPhoneにメールの着信音がした。明日の朝まではメールを見ずにいるつもりだったが反射的に手にとってしまった。

メールは広告のDMだったが、未読メールの中にリクルーターからのメールが入っていた。タイトルは「Congratulations」、彼からの着信履歴も残っていた。

そのあとは朝まで眠れなかった。

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