53才のリアルタイム リストラ日記

突然 リストラを通告された53才 サラリーマンの物語をリアルタイムでお伝えします。

日本ベンチャーの外人COO(失業58日目)- 2020年7月28日

7月の4連休はすこしリラックスして過ごした。いつもなら、週明けに予定している日本のベンチャー企業との最終面接にむかって頭から湯気をだすように準備をしているのだが。。。前回も書いたがウイリアム ・ブリッジスの「トランジション」を読んでから少し心が軽くなった。

「20年後の自分から、今の状況を考える」

そんな視点で考えるとあまり切羽つまってはこない。ここまで最終面接で5戦5敗。先週末までは汲々とした心持ちだったが少し余裕がでてきた。

来週の最終面接が終わればとりあえずお盆まで何もなくなる。妻に「トランジション」の話をすると、「少し今の姿勢を変えた方がいいんじゃない。どこか泊まりがけで行ってきたら」と言ってくれた。言葉に甘えて、インタビュー明けから2泊ほど都内某所で巣篭もりすることに決めた。本当はもう少し遠出をしようかとも思っていたが、Go to関連で都外の旅はなかなかストレスがたまるらしい。

4連休はアマゾンプライムNHKオンデマンドのチャンネルを契約し、なんとなくプロフェッショナル 仕事の流儀を1話から順に見た。月額980円だが、約120話が見れるようだった。10話くらい見終わった後に思ったのは、まったく違う業種のプロの話だが共通点があった。

自分の仕事に向き合い。それを日々突き詰めることで喜びを感じていること。

なんかここ数年こういうひたむきさを忘れていた気がした。もう20年くらいIT業界で仕事をしてきたが、業界が成熟してきたことと自分の仕事のかなりの分量を経験値で回せることで、時代の先端で働いているドキドキ感をもうここ10年ほど失ってきた感じがした。

週明け最終面接をうけるベンチャーは異業種である。とても将来性のある仕事ですごく面白い。ここまで5社のうち3社は、そういったベンチャーだった。だから話題をキャッチアップすべくいろいろな情報を集めて必死に勉強を積み重ねていった。

そして今度はそれを全てやめた。

その業界で働くことをイメージしてドキドキ感を伝えよう。あとは自分のやってきたこと、経験のないことを完結に話していこう。

そんな風に気持ちを切り替えた。

7月28日、朝から蒸し暑い。いつものように5時前に起きてウオーキングに出かける。歩いていると頭の中につぎつぎとスパークするようにビジネスアイデアが浮かんできた。よりによって面接直前の朝に違うことで頭が冴えるとは。。。

ウオーキングからかえって、一気にノートに書き出した。これは保留。あさってからの巣篭もりの時の材料と自分に言い聞かせた。

今日は英語の面接である。このベンチャーのCOOはアメリカ人。このポジションの上司となる人だ。いつもなら、オンライン英会話をすこしウオーミングアップのつもりでこなすのだが今日はなんとなくやめた。ただ音楽を聴きながらリラックスをして午前中を過ごした。面接は会社で13時から、昼前に家を出かけた。

会社につくと外人の人事の女性がやってきて、彼女と1時間くらい面談があった。とても気さくな人だったのでリラックスした感じですすんだ。経歴書にマインドマップインストラクター資格を書いておいたので、マインドマップについての件で盛り上がった。そしてちょうどいい英語面接のウオーミングアップになった。

彼女の後にCOOが入ってきた。長身の年配の男性で田舎の気さくなおじさん風だった。一通り自己紹介と職務経験を話すと、なぜこの会社に興味をもったのか聞かれた。

僕はIT業界に入ったときのドキドキ感とこの業界に感じる同じような魅力。そしてキャリアの第二章として、その感じをもう一度味わってみたいというようなことを話した。

そのあとは、最近見た映画の事「フォー・オール・マンカインド」や「ザ・ファーストマン」などのことで盛り上がった。

そう、この会社は宇宙関係の企業でそのCOOはNASAの出身者だった。

1時間ほどすると彼は「Hold on second(ちょっと待ってて)」といって部屋を出て行った。代わりに入ってきたのは創業者のCEOだった。

彼は細かいことは聞いてこなかった。ただ一つ、「自分の次にキャリアステップにとってこのチームに加わることが本当にいいことでハッピーなのか、よく考えて」といった。

面接は2時間半にわたった。気温のせいもあって頭はオーバーヒート状態だった。

家にまっすぐ帰ってシャワーを浴び、冷たいビールを一気に喉に流し込んだ。

全身に感じるほのかな疲労となにかすっきりした心地よさが自分を包んでいた。

そして創業CEOが問いかけた言葉を頭の中で繰り返していた。

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