53才のリアルタイム リストラ日記

突然 リストラを通告された53才 サラリーマンの物語をリアルタイムでお伝えします。

最終出社日ー2020年5月27日

会社へPCの返却と私物の整理に2ヶ月ぶりに出社した。

人事からの説明会で受けたインストラクションどおりにPCのデータを会社の所定ツールで全削除して部署のアシスタントに返却する手順だったが、会社から渡されたマニュアルは全く役立たずで削除するためのメニューが見つからない。結局、あれこれインターネットを見て、そのPCメーカーのホームページからやり方を知った。そもそも最初に「起動時にESCキーを押して」とマニュアルにあるのに、メーカーのHPでは「起動時にF10ボタンを連打して」とあり、1行目から間違っていた。どこまでストレスをかけるのだろう。それでもIT企業か・・・データを削除する前に、会社の仕事で絡んだ人、仲間、取引先へと3種類の退職挨拶のメールを送った。そして、ほぼ1日がかりでデータを削除した。

まだ会社は完全在宅勤務体制が続いていて、許可をもらった人のみが入館できる体制になっていた。入館受付で名前を言うが案の定 許可者リストに名前はなかった。先週、上司に27日に私物整理に行くと連絡したのに。最後までこんな感じだ。受付担当者にもう今週いっぱいで退職するので今日、整理ができないと困ると説明し、書類に署名して入館した。

オフィスフロアは誰一人いなかった。ライトも消されたままだった。デスクには2ヶ月間積まれた郵便物の山があった。机を開けて、不要となった書類や文具をテキパキと処分する。転職は過去何度もしているので、こういうことには慣れている。でも今までは、転職先があって「これは次の職場で使うかな」と思いながら廃棄するわけだが、こんどは分別するだけで全部捨てるつもりだった。それでも、私物の本や読んでいない雑誌をカバンに詰めた。

たった40分の作業。それだけだった。懐かしさや振り返る気持ちは、全く心に浮かばなかった。

PCをアシスタントの机に置き、受付でIDカードを返却しオフィスをあとにした。

誰もいなかったオフィス。心は、ことのほか静かだった。

帰宅して、私用のメールボックスを確認する。仲間への退職の挨拶メールに私用のメールアドレスを書いておいたので20数人からのメールが入っていた。

夜、一人一人に思いをこめて返信をした。

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